CPLミクロンルブ潤滑ユニット
解説


CPLミクロンルブ潤滑ユニット

ミクロンルブ潤滑は、潤滑油浄化作用、微少潤滑油量の精密制御、エアによる冷却効果により、工作機械・専用機などの高速・高精度・高寿命機械に最適な潤滑システムです。

(写真はMC5シリーズ)

製品の特長  概要と作動原理  参考資料

特長

油のもれ、たれを嫌う立形機械の潤滑にも最適です
ミクロンルブ潤滑は、潤滑油を微細な霧(ミクロンフォグ)にして圧力エアで、連続的に絶え間なく潤滑点に搬送します。 圧力エア中に霧状で浮遊する極く微量の潤滑油で、微少油膜厚を形成できるので、潤滑油自体の撹拌摩擦熱の発生を抑え温度上昇を低く維持でき、 また油による周囲汚染がありません。油のもれ、たれを嫌う立形機械の潤滑にも多く採用されています。

潤滑される機械要素の寿命を大幅に延ばします
ミクロンルブ潤滑ユニットでは、油粒子(油霧)サイズの選択段階で、油中のゴミも同時に選別されます。 その結果、ミクロンフォグとなって吐出される油はNAS 5級以上の清浄度になります。 これは潤滑油の清浄度としては最高クラスといえます。さらに、ミクロンルブ潤滑は、油を循環して使用せず常に新鮮な油だけを供給する方式です。 従って、精密機械の潤滑には最適で、潤滑油の清浄度に大きく影響される機械要素の寿命を大幅に延ばすことができます。

エアによる冷却効果
ミクロンフォグは、フォグノズルで速度を速めて、高速で動く潤滑部周囲にできる空気の壁をつき破り、確実にその転動面、摺動面に噴射されます。 この時、圧力エアは断熱膨脹による温度降下も起こすため、潤滑部のハウジングから奪う熱量も大きく、温度上昇を低く抑える効果があります。 熱ひずみによる精度劣化も抑制します。

切削液やゴミの侵入を防止します
潤滑部は、搬送エアにより外気より高い圧力に維持されています。切削液やゴミがハウジング内部に侵入することがなく、 転動面、摺動面を異物による汚損から隔絶します。

機械の運転に同期でき、作業時間の効率アップと省エネ・省資源がはかれます
ユニットにエア圧力を供給すると同時に、ミクロンフォグが生成され潤滑点に達します。これは、潤滑される工作機械の運転に同期した潤滑ユニットの運転を可能にし、 エアおよび潤滑油の浪費を防止します。

メンテナンス性に優れた集中潤滑装置です
ミクロンルブ潤滑は、一本の主配管と点在する潤滑部への枝配管により、多くの箇所への集中潤滑が可能です。 給油量の確認、エア圧力の調整、油の補給などの潤滑管理を1箇所で行えます。機械運転中の補給も可能です。

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概要と作動原理

概要

ミクロンフォグの発生と搬送
ミクロンルブ潤滑は、高速で吹き出す圧力エアの作用により、潤滑油を微細で軽い油粒子の霧(以後ミクロンフォグという)にします。 発生したミクロンフォグは、管内を低速度の圧力エアにのって、各潤滑部に搬送されます(ミクロンフォグを搬送する配管をマニホールドという)。

薄い油膜の形成
ミクロンフォグは、配管末端のフォグノズルで付着し易い性状に転換され、各潤滑点の摺動部や転動部に、 エアとともに連続的に吹付けられ、そこに薄い油膜を形成します。 最適な潤滑は、機械要素の潤滑面をできるだけ薄い油膜で覆っておくことです。余分な潤滑油は無駄になるばかりでなく、 流体摩擦熱などにより温度上昇をひき起こし、また周囲も汚染します。逆に、不足すれば焼損事故を引き起こします。

微少油量の制御
ミクロンルブ潤滑は微少油量を正確に制御し、潤滑面に清浄でかつ最適な量の潤滑油を間断なく供給できるので、 軸受の温度上昇を最少に維持して機械性能を最大に引き出します。

 

作動の原理


エア調質機器で調整された圧力エアは、ミクロンフォグ生成体内のベンチュリノズルに流入し、油槽部に高速で噴出します。 一方エアパイロット式ポンプは、間欠作動タイマの作動毎に、一定量の油をベンチュリノズルに送り込みます。

潤滑油はベンチュリノズルで微細な油粒子の霧となって、油霧選別ボウルの上部に浮遊し、大部分の大きな油粒子は還流チューブを通って油槽内に戻ります。 微細で軽い油粒子だけがミクロンフォグ吐出口からマニホールドに送り出されます。

マニホールド配管内では、ミクロンフォグは管壁に付着しにくいドライフォグ(微細で軽い油粒子)となって低速度のエアで搬送されます。従ってこのまま軸受などに噴霧しても付着せず潤滑には適しません。

ドライフォグはフォグノズルを通り速度を速められてウェットフォグ(付着し易い大きな油粒子の霧)に転換されます。
フォグノズルは、ドライフォグ状態のミクロンフォグをウェットフォグに転換して、潤滑対象の摺動面に噴射し、そこに連続的に均一で薄い潤滑油膜を形成します。

 

ミクロンルブ用潤滑油…ミクロンルブ潤滑で多くの実績のある潤滑油です。

  軸受(スピンドル) 軸受、ギヤ、ガイド 他
TACO推奨油
ダフニーミストマルチMU32オイル (ISO VG32)
ダフニーミストマルチMU68オイル (ISO VG68)
出光興産
ダフニーメカニックオイル32 (ISO VG32)
ダフニーメカニックオイル68 (ISO VG68)
コスモ石油
コスモマイティスーパー32 (ISO VG32)
コスモマイティスーパー68 (ISO VG68)
モービル石油
モービル DTE24 (ISO VG32)
モービル DTEオイルライト (ISO VG32)
モービル DTE26 (ISO VG68)
日本石油
日石FBKオイルRO32 (ISO VG32)
日石FBKオイルRO68 (ISO VG68)
エッソ
エッソテレッソ32 (ISO VG32)
エッソテレッソ68 (ISO VG68)

:ダフニーミストマルチMU32/MU68オイルはTACOで扱っています。

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参考資料


潤滑値(=BI値)の計算式(機械要素1個当りの潤滑値)

軸受の場合
軸受イラスト
玉軸受、アンギュラ軸受 (ボールベアリング)
コロ軸受(ローラーベアリング)
計算式
D:  軸受(mm)
K:  係数
深溝・アンギュラ玉軸受 K=0.012〜0.02
円筒コロ軸受 K=0.02〜0.04
円錐コロ軸受 K=0.06〜0.08
※予圧が大きい場合、係数Kは上限側の数値を使用します。

直動ユニットの場合
直動ユニットイラスト
計算式
L:  ブロック長さ(mm)
K:  係数(=0.05)※条数(トラック数)4の場合です。

ボールねじの場合 ボールねじイラスト
ねじ軸の谷径とボール巻数を基準として、
次の式から潤滑値(BI)を計算します。
計算式
D:  谷径(mm) n: 巻数
R:  列数 K:  係数=0.02

ミクロンルブ潤滑システムを導入する際についての詳細は、TACO株式会社 営業部までお問合せください。


フォグノズルの径(mm)と潤滑値(BI)


フォグノズルの径
(mm)
各フォグノズルが対応できる潤滑油(BI)
系列A(一般) 系列D(高速)
φ0.7mm 0.75〜1.4BI 0.10〜0.18BI
φ1.0mm 1.5〜3.0BI 0.19〜0.37BI
φ1.2mm 3.1〜6.0BI 0.38〜0.75BI
φ1.6mm 6.1〜11.0BI 0.76〜1.40BI
φ2.0mm 11.1〜17.0BI 1.41〜2.15BI
φ2.4mm 17.1〜23.0BI 2.16〜2.88BI
潤滑対象の運動要件で、対応できる潤滑値(BI)が異なります。潤滑要件にあわせて系列を選定します。
一般的潤滑では系列A、高速潤滑では系列Dを選択します。
必要BI値を分割し、複数個の小径ノズルを配置して潤滑と冷却の均等分布を計ります。
詳しくは、TACO株式会社 営業部までお問合せください。

注記)この表はフォグノズル算定の際、比較的よく使用される系列を抜粋したものです。




供給油量算定式(ミクロンルブ潤滑での1時間あたりの消費油量)
計算式
ここで、係数0.1〜0.3は潤滑対象から決めます。一般的には0.15です。
0.1(高速スピンドル)〜0.3(ギヤ、低回転など)の範囲で決めます。
上の式はミクロンルブ潤滑を計画する際の算定式です。実機による調整が必要となります。
直動ユニット、ボールねじでは係数0.05を採ることがあります。

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